tn3のブログ

野村忠央です

59. 『剣客商売』「剣の誓約」(1999年)と夏八木勲

 『剣客商売』「剣の誓約」はそれぞれの登場人物が切ないが、『剣客商売』らしい良い話だと思う。秋山大治郎の師嶋岡礼蔵を何人もの俳優が演じているが(木村功、信欣三、林隆三など)、藤田まこと版第2シリーズ第3話「剣の誓約」(1999)で嶋岡を演じた夏八木勲(1939-2013)は池波作品を含め、多くの時代劇に出演した名優である。夏八木はいつも体を鍛え、ストイックに剣の道を生きてきた孤高の剣客嶋岡礼蔵の役どころに合っていたと思う。そして、嶋岡に三度目の決闘の約束をしていた病身の剣客柿本源七郎を東野英心(1942ー2000)が、*1*2その門人で色子である伊藤三弥を若き本宮泰風(1972ー)がそれぞれ演じているが同じく適役であったと思う。人はそれぞれに切ない過去と信義と正義がある。

*1:東野英心は58歳の若さで亡くなってしまったが、私の世代には『ウルトラマンタロウ』(1973ー74)の荒垣修平副隊長役、「あばれはっちゃく」シリーズの父ちゃん役の毎回の名台詞「この馬っ鹿野郎! てめえの馬鹿さ加減にはなあ、父ちゃん情けなくて涙が出てくらあ!」と共に思い出される。
 なお、本作の脚本では柿本は秋山小兵衛に斬られるが、切腹の終わり方の方が柿本の人柄が現れると思う。

*2:織本順吉(1927ー2019)も柿本役を二度演じているが、同じく合っていた。